古い空き家は高く売れるか?
2026/04/28古い空き家は高く売れるか?
目次
1.旧耐震の建物の場合
2.旧耐震の建物を取り壊わして土地だけにすれば高く売れるか
3.空き家の残置物はどうすれば?
4.古い空き家を相続した場合の相続税は
5.不動産を打った時の税金
6.こんな事例が考えられます。
7.まとめ
8.その他の相続不動産売却時の税金特例
9.こんな場合はどうなるか(例)
10.最後に
――――――――――――――――――以下本文―――――――――――――――――
1.旧耐震の建物の場合
・昭和56年5月以前に建てられた建物は、建築基準法改正前(旧耐震)の建物で耐震リフォームがされていないと、耐震基準を満たしていない。
・つまり地震に弱い可能性がある。
1-2.旧耐震の建物(耐震リフォームなし)は高く売れるか。
・買う人は壊した方がいいかと考える
・リフォーム代が高くかかるだろうと考える
1-3.旧耐震の建物は高く売れることは少ない
・土地だけの値段になってしまう。
・土地代から解体費を引かれる場合も考えられる。
・銀行のローンが通りにくくなる場合も考えられる。
2.旧耐震の建物を取り壊わして土地だけにすれば高く売れるか
2-1.固定資産税等が約6倍になるので注意が必要
・住居としての建物が存在すれば、固定資産税や都市計画税がやく1/6に減免されています。
・住居としての建物を取り壊せば、減免部分が無くなりますので、固定資産税や都市計画税が6倍に跳ね上がります。
2-2.土地の相場価格-解体費用が妥当な金額と考えられます。
・買主決まっていないのに建物を取り壊すのは、良いとは言えません。
・買主が決まってから、建物を取り壊すか、買主側で取り壊しを実施する条件での売却が望ましい。
・相続した物件ですと、空き家の3,000万円特別控除がありますので、該当する場合は更地にして売却する条件で買主が決まってから取り壊すのが良い方法と考えられます。
3.空き家の残置物はどうすれば?
・空き家の残置物の処分と建物の解体は、基本的に実施する業者が異なります。
・順序的には、空き家の残置物の処分をしてから、建物解体となります。
4.古い空き家を相続した場合の相続税は
4-1.相続税の非課税とは
・3,000万円+(600万円×相続人の人数)までは、原則非課税です。
・たくさん相続した人が課税される税金
5.不動産を打った時の税金
・正式には、譲渡所得税
・利益(もうけ)に対して税金がかかります。
・利益(もうけ)=売却額(売った値段)-購入額(買った値段)-費用(仲介手数料等)
・税率(概算)
5年より長く居住・・・・約20%
5年以下の居住・・・・・約40%
・相続した物件ですと、空き家の3,000万円特別控除があります。
6.こんな事例が考えられます。
6-1. 昭和53年建築 2階建 建物125㎡ 土地300㎡
「古い空き家は高く売る」と宣伝の業者に依頼
・3カ月ほどたって、「そのままで売れそうになく、解体すると購入したい人が出ました」
・依頼すると
残置物処分費用 90万円
家屋解体費用 350万円
土地代金 1000万円
購入代金(10%) 100万円
不動産仲介手数料 39.6万円【不動産売買の仲介手数料(売買価格400万円超) 計算式: (売買価格 3% + 6万円) + 消費税)】
1000万円(土地売却代金)-90万円(残置物処分費用)-350万円(家屋解体費用)-39.6万円(不動産仲介手数料)=520.4万円
520.4万円の入金がありますが、課税対象となる可能性があり
後日 (520.4万円-100万円(取得金額))×20%=84.08万円の税金を納める可能性があります。
最終手取り=520.4万円-84.08万円=436.32万円 となります。
6-2.それぞれの業者に見積もりを取り売却した場合(空き家の3,000万円特別控除対象)
残置物処分 60万円
解体費用 250万円
土地代金 1000万円
不動産仲介手数料 39.6万円【不動産売買の仲介手数料(売買価格400万円超)
計算式: (売買価格 3% + 6万円) + 消費税)】
1000万円(土地代金)-60万円(残置物処理費用)-250万円(家屋解体費用)-39.6万円(不動産仲介手数料)=650.4万円
空き家の3000万円特別控除対象なので、譲渡所得税は課税されません。
最終手取り650.4万円
6-3どちらが得考えてみよう
7-1. 最終手取り 436.32万円
7-2. 最終手取り 650.4万円
結果、214.08万円の差が出ることになります。
手間を惜しまず、正攻法で売却すると手取り額が、断然多くなります。
7.まとめ
・古い空き家は高く売れることは少ない。
・基本的に建物の解体が前提となる。
・建物解体の前に、空き家の残置物の処分が必用。
・「古い空き家をそのままで高く売れます。」の宣伝に注意
解体が前提で、残置物整理費用や解体費用が高額の請求されることが考えられる
売主の課税対策を考えていないことが多い。
処分して多額の税金に驚くことともある
・特に税金については、売主は知識が必要。
・すべてを業者任せにするのは危険。
・不動産仲介手数料は、売買金額によって上限が定められている。
・残置物処分費用や家屋解体費用は、上限が定められているわけではないので、業者により金額が異なる。(ここがポイントです。複数社の見積もりをお勧めします。)
・譲渡所得に対する税金を頭に入れて売却する。
8.その他の相続不動産売却時の税金特例
8-1.取得費加算の特例
・正式には「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」です。
・不動産を売るときは:譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)です。
・取得費とは、通常購入時の価格
・相続した場合は取得費が不明(不明の場合は売却金額の10%)または低い金額になりがちで、税金が高くなります。
・この特例を使うと支払った相続税の一部を取得費に上乗せできます。
・この特例の適用条件として主なものは
① 相続や遺贈で取得した財産である。(親などから相続した不動産など)
② 相続税を実際に払っている。(課税されていない場合は、不可)
③ 相続開始から3年10か月以内に売却。
・加算できる金額は、その不動産に対応する相続税の一部(按分計算)
8-2.例
・相続した土地を売却
・相続税を1,000万円払った。うち300万円がその土地の按分税額。
・この300万円を取得費に加算できる
・譲渡所得が下がり、税金が安くなる。
8-3.注意点
・「3年10か月」を過ぎると使えない。
・相続税を申告していないと対象外。
9.こんな場合はどうなるか(例)
9-1.相続物件(昭和56年5月以前に建築の空き家で被相続人が20年以上居住)で相続が発生したときから売却時まで誰も居住していない。そのままの状態(残置物整理もせず解体もせず)買い取り業者に500万円で売却した場合。
・不動産仲介手数料は、(500万円×3%+6万円)×1.1(消費税)=23.1万円。
・売主には、500万円(売却代金)―23.1万円(不動産仲介手数料)=476.9万円が入金されます。
・しかし、翌年の確定申告で、
譲渡益 426.9万円=500万円(譲渡金額)-50万円【取得金額】(取得金額10%)-
23.1万円(不動産仲介手数料)
譲渡取得税 426.9万円(譲渡益)×20%=85.38万円
が課税され、売主が納税しなければなりません
・実質売主の手取り額 391.52万円となります
・この物件を残置物整理し、解体を条件で売却したとすると(金額は仮定です)
残置物整理費用 60万円
家屋解体費用 200万円
解体後の土地売却代金 760万円
不動産仲介手数料 760万円×3%+6万円)×1.1(消費税)=31.68万円。
760万円(土地売却代金)-60万円(残置物処理費用)-200万円(家屋解体費用)-31.68万円(不動産仲介手数料)=468.32万円
この方法ですと空き家の3,000万円特別控除対象となりますので、課税対象とはならず、468.32万円が手取り額となります。
実に76.8万円の差が出てきます。
実際は、この差はもっと大きくなると考えられます。
10.最後に
・昭和56年5月以前の相続した空き家は、貸さずに空き家の3,000万円特別控除対象になるように売却するのが、最も得策と考えられる。





