空き家管理マニュアル:Ⅲ.1実施編(一戸建)屋内
2016/04/18Ⅲ-1.実施編(一戸建)
2.屋内
①換気
各部屋の雨戸、窓を全て開放し換気しましょう。網戸部分だけの解放ではなく全開放しましょう。夏場などは虫が入ってきたりしますが、それは殺虫剤などで対応しましょう。
雨戸の戸袋にコウモリや虫などが栄巣している場合がありますので注意してみましょう。できれば開ける前にLED懐中電灯(準備物頁参照)で中を照らして確認すると良いと思います。下に糞などが溜まっていれば、栄巣を疑った方が良いと思います。
②各部屋の確認
換気中に各部屋の点検をします。不審者の侵入痕が無いかはもちろんですが、天井や壁などに雨漏りや水漏れの痕跡が無いかを確認します。(※夏場など虫が多い時期は、殺虫剤や虫除けスプレーなどを使って、刺されなしようにして下さい。)
できれば写真を撮っておくと、今後の変化が判り参考になります。撮影ポイントを決めておくと良くわかります。
③通水(水道が通っている場合)
キッチン、洗面所、風呂場、トイレなどの全ての水栓を開け1分ほど通水します。通水することにより水道管の汚れを除去し排水トラップの水を入れ替え、下水からの臭気の逆流防止となります。
④押入の解放
押入は、不在の時も解放し、少しでも空気が対流するようにしましょう。中に湿気がこもらないように、布団などの下にスノコ等を入れるのも効果的です。湿気るようでしたら、湿気取り剤を置くのも一つの方法ですが、定期的に交換する必要があります。
⑤冷蔵庫
電源が入っているのであれば、そのままにしてください。電源を切ってある場合は、すべての庫室を開放し、湿気らないようにしてください。冷蔵庫は稼働していると庫内は乾燥しますが、電源を切ると庫内は湿気を帯びやすく、すぐにカビが発生します。
⑥屋内のドア
屋内のドアも空気を対流させるために、すべて開放します。ドアストッパーがある場合は、開けてストッパーを掛けてください。ストッパーが無い場合は、新聞紙などを折ってドアの下に挟んでストッパーの代わりにしましょう。
⑦天井や壁の水濡れ痕に注意
雨漏りなどが発生すると次のような症状がでます。
・天井や壁にシミができる。
・部屋が湿気を帯びている
・天井が下がっている(濡れて膨張して)。
・壁紙が浮いている
⑧床にも注意
室内を歩いて、歩くと凹んだりする部分が無いかを注意してください。畳やジュータンにシミが発生してないか、発生している場合はその上の天井も確認してください。
⑨シングルレバーの水栓に注意
シングルレバーの水栓は、レバーを上に上げると「水が止まる」タイプとレバーを上に上げると「水が出る」タイプの2種類が存在します。水の元栓を閉めている場合などは、自宅のものと同じように使っていて間違えて大変な事になる場合もあります。注意してください。
間違えないように、テプラテープなどで、「上げる:止水」と貼ってレバーに貼っておくと誤動作が防げます。
⑩電気スイッチにも「ON」「OFF」のシールを。
電気のスイッチは、写真のように黒い印などが付いている方が「ON」、付いていない方が「OFF」ですが、長年使っていると色がとれて判らなくなることもあります。これも「ON」「OFF」のシールを作成し、すべてのスイッチに貼ることをお勧めします。100円ショップなどで●印や●印のシールがシートで売っていますので、●印を「ON」、●印を「OFF」として貼るとスムーズに行くと思います。
⑪本棚などにも注意
本棚などに本をたくさん収納すると、本の重みで本棚が変形してくる場合があります。本棚のゆがみにも注意しましょう。本棚がゆがんでくると、本棚自体が倒壊し、近くに掃出し窓等があるとその窓も破損する可能性があります。
⑫電灯などの取り付け部分に注意。
電灯など天井に取り付けてあるものは、取り付け部分が雨漏りなどで濡れると、落ちてくる場合があります。取り付け部分がしっかりしているか、確認しましょう。特にシャンデリアなどは自重が重いので要注意です。
⑬使っていない電化製品はコンセントを抜く
使用していない電化製品(洗濯機、ホットカーペット、トースター、炊飯器)は、コンセントからプラグを抜いておきましょう。万一の事故防止になります。 更に、電気契約があり電化製品を使っていない場合(特に冷蔵庫)は、元のスイッチでOFFにしてもかまいません。
防犯のための常夜灯を点けていたり、冷蔵庫が動いている場合は、元スイッチのOFFはできません。分電盤は、住宅の入り口近くの高い位置に設置されていることが多いです。主ブレーカーをOFFにすると、その住宅内の電源は全て切れます。