空き家管理マニュアル:Ⅲ.1実施編(一戸建)防犯
2016/04/18Ⅲ-1 実施編(戸建の空き家の場合)
3.防犯
進入者を防ぐための対策を紹介します。前述のチェックポイントと重なるところがあります。 「盗られる物は何もないから大丈夫」とか「金目の物はないから大丈夫」と安心してはいけません。泥棒は金目の物を狙って侵入しますが、金目のものが無いと、部屋の中をくちゃくちゃにして去っていきます。窓ガラスを割られることもあります。侵入されると、後の回復に手間とお金がかかるのです。これを未然に防ぐために防犯対策が必要なんです
①道路から見えるところは、きれいに保つ。
門や玄関口など道路から見えるところに草が茂っていたりゴミが散乱していると「居住していない」ことが判ってしまいます。少しでも生活感を出すために道路から見える部分だけでも、きれいにしましょう。
②常夜灯をつける。
常夜灯をを家の玄関先に点け、24時間点灯させます。昼間は明るいので常夜灯は判りませんが、夜は点いているのが判りますので、人が住んでいる気配となります。LED投光器タイプの物は弊社でも利用しています。
③雨戸の状態を変化させる。
雨戸を閉めた状態にしたり、開けた状態にしたり、住んでいるような状態を演出する。
※空き家に行った都度、状態を替えるのが効果的です。
④高い塀の家は要注意
写真の様な高い塀に囲まれている家は、侵入者が塀の内側に入ってしまうと外からわかりません。こういう家は要注意です。対策としては、塀を取り壊すことは費用が掛かりますので、センサーライトの取り付け、防犯カメラ(ダミー)の設置。などです。
⑤敷石を敷く
居住している住宅と同じ防犯対策となりますが、侵入者は「音」を嫌います。上を歩くと音の出る「敷石」などは防犯には効果的です。
⑥近所の人の目
空き家とは言えども、しっかりご近所づきあいをしておくと近所の人の目が光ってきます。ちょっとしたことでも近所の人が不審者かな?と思う目で見るだけで効果があります。近所づきあいを大切に。
ご挨拶に行く際は、手土産と連絡先カード(資料参照)をお忘れなく!留守の場合もあると思います。留守の
場合は、郵便受けに入れておきましょう。
※留守の時を考えて、手土産は郵便受けに入る大きさの物を用意しましょう。
⑦郵便受けが一杯にならないように。
郵便受けが一杯だと留守であることが一目でわかってしまいます。下記のような対策が必要です。
・郵便局に転居届を出し、郵便物が来ないようにする。
(郵便の転送は1年間ですので、1年経過後に忘れずに更新しましょう)
・DMなどは来ないように発送元に発送止めを依頼する。(郵便は転送できますが、他社のメール便等は転送ができません)
・郵便物等が溜まっても判らないように郵便受けを大型のものする。
・定期的に郵便物を回収する。
⑧表札などのマーキングに注意
表札や電気メーターなどにマークや文字・数字、シールなどが貼られたり記入されていることがあります。
これは訪問販売や空き巣などの目印になっていることがありますので、発見した場合はすぐに消しましょう。
⑨窓の格子を過信しない。
窓の格子は、外から簡単に取り外すことができます。「格子が付いているから、鍵をしなくても大丈夫。」という考えはやめ、すべての窓を施錠しましょう。
⑩裏手にまわられないような工夫をする
侵入者は、道路から見やすいところを避け裏手の人目につきにくいところから侵入します。裏手に回り込みにくいように柵や設けたりするとよいでしょう。また裏手に回るところに音の出る敷石を敷くのも良いでしょう。
⑪道路からの死角を作らない。
植木が茂っていて家の一部が道路から隠れてしまう場合には、植木を剪定し、道路から死角にならないようにする。
⑫泥棒が狙いやすい家とは・・・・
・泥棒しやすく逃げやすい。
・怪しまれにくく、捕まりにくい。
・防犯意識が薄く、警備システムなどがついていないため入りやすい。
・人通りが少なく、人目につきにくい。
・建物に死角があり、表から犯行が見えない。
・足場があるなど侵入しやすい。
・近所つきあいがなく、居住者相互の面識がないため発見されにくい。
・金目のものがある。
・塀や植木などで隠れる場所があり、表からの見通しが悪い。
・2階のバルコニーや窓へあがる足場がある。(雨樋、カーポート、塀など)
・見通しの悪い位置に勝手口がある。
・夜間、家のまわりに暗がりができる。街灯が少ない。
・ピッキングしやすい鍵が玄関についている。
・面格子のない小窓がある。
・窓にクレセント錠だけで鍵がついておらす、窓破りが容易そう。
⑬狙われやすい場所(前述の項目もあります。)
・トイレ、風呂場、勝手口など(戸締まりがされていないことが多い)
・木の格子、ステンレス製の飾り格子のある窓(格子があると安心と勘違い)
・ガラスを使ってある玄関、勝手口、窓(ガラスを割って鍵は簡単に開けられる)
・ベランダ側の窓(夏なんか開けっぱなしになっている)
・網入り(線入り)のガラス(割れにくいと勘違い)
・ドアや窓の戸締まりが1箇所のところ(開けるのに時間がかからない
⑭プロの泥棒の下見のポイント(前述の項目もあります。)
・家族構成(空き家の場合これはありません。)
・家族の行動予定(空き家の場合これはありません。)
・建物の死角
・近くの警察署の場所
・近所の状況
⑮泥棒が狙いを定めるポイントは。(前述の項目もあります。)
・泥棒しやすく逃げやすい。
・怪しまれにくく、捕まりにくい。
・防犯意識が薄く、警備システムなどがついていないため入りやすい。
・人通りが少なく、人目につきにくい。
・建物に死角があり、表から犯行が見えない。
・足場があるなど侵入しやすい。
・近所づきあいがなく、居住者相互の面識がないため発見されにくい。
・金目のものがある。
⑯泥棒が諦めるときのポイント
・補助錠などで侵入に10分以上かかるとき。
・近所の人にジロジロ見られて。
・犬がいてあきらめた。(空き家の場合は、これはありません。)
・防犯装置設置のマークがあった。
⑰泥棒は音と光が大嫌い
泥棒が侵入する極度の緊張の中、突然ライトがついて真っ暗闇の中で自分の姿が明るく照らし出されたり、ベルやサイレンが鳴ったりしたら・・・。 警察見解では、侵入時の音や光による威嚇に対しては最大限の退散効果があるといわれています。泥棒が答えた「被害に遭わないための秘訣」にも、防犯テレビカメラ、防犯センサー、ベルの設置が最も多く挙げられています。
⑱ソーラー型センサーライトが空き家には有効
ソーラー型センサーライトが販売されています。これですと、電気契約が無くても点灯しますので、防犯効果があります。ソーラー型の電灯を室内に取り付けて常夜灯にすると、電源が無くても防犯効果が上がります。
⑲戸建て空き家の防犯(まとめ)
・道路からの死角を作らない
・窓等はすべて施錠する。できれば2重ロック
・道路から見えるところは、きれいに。
・植木で死角を作らない
・センサーライトや防犯カメラ(ダミー)の活用
・敷石等の活用
・近所づきあいをしっかり行う
・郵便受けは一杯にしない。(定期的に回収、大型の物に替える)
・面格子、網入りガラスを過信しない。
・2階への足場に注意する。ある場合は、その先にセンサーライト。
・表札のマーキングに注意